「そういうことだから。それと、戸田先輩。これが、あたしの本性です」


やっぱり、本性だったんだ。


この本性を、弘毅は知っていたのだろう。


だから、あんなにも面白そうに笑っているのだろう。


「教室に戻ろう。絢瀬」


まひろは私の腕を引きながら、歩みを進めた。


初めから仮面なんて被ってないで、素で居ればよかったのに。


偽りの仮面は、人を生き難くくさせる。


そして、その仮面はあまりにも脆い。


まひろにとって、自ら仮面を剥がしたことが正しかったのか?


私には、わからない。


だけど1度被った仮面は、嘘を重ねる度に剥がせなくなる。


そして剥がせなくなった仮面は、いとも簡単に壊れる。


私は、その仮面を壊れた時。


自分の居場所を、、、失った。