Black World

「なぁ、暇なら付き合えよ」


そして唐突に、成瀬はそんなことを口にした。


「え?」

「予定ある?」

「そう言うわけじゃないけど」


そんな風に成瀬に声を掛けられるなんて思わなかったから、正直戸惑っている。


「やっぱ良いや」


そう言うと、成瀬はこちらの返事も聞かずに立ち上がる。


そして逃げるように歩みを進める成瀬の背に


「良いよ」


そう口にし、成瀬に続いた。


会話をするわけでもなく、その日はただ歩いただけだった。


「ねぇ、あの日。なんで誘ったの?」


あの時、聞けなかった疑問を尋ねる。


「なんでだろうな。強いていうなら、一緒にいたかったのかもな」


成瀬は柄でもなく、そんなことを口にした。