Black World

「来陽が黒虎の人間だって知っても、離れられなくらい好きだった」

「この町を離れた理由は、間宮せいか?」


来陽のせいだと言ったら、あの時は確かにそうだった。


「事故のあと、忘れたの。私のこと」

「忘れた?」


でも、来陽は何も悪くない。


「病気、なんだって」

「病気?」

「記憶がね、段々失われていくんだって」


今の来陽は、何なら覚えてるんだろう。


「そういうことか」


璃雄は、どこか納得したような顔を浮かべる。


「璃雄?」

「あの噂、どうやらホントみたいだな」


流花が不思議そうに視線をやると、璃雄はニヤリと口元を上げる。