__バチンッ__


部屋の中に、乾いた音が響き渡った。


ジンジンと熱を上げ、頬が痛む。


「絢瀬のバカ」


そう流花は、私のことを抱き締める。


「ごめん」


流音の背中に手を回し、私も流花を抱き締める。


そんな私たちの様子を、椿こと璃雄(りお)と蓮こと春馬(はるま)が安堵したように眺める。


「ごめん。何も言わず、裏切るみたいにこの町を出て。本当に、ごめんなさい」


私は許しを乞うように、みんなに謝る。