Black World

~残された2人~


綾瀬が出て行き、女は来陽に駆け寄る。


「来陽、あの子、、、」

「柚(ゆず)の知り合い?」

「知り合いじゃないけど」


柚の反応に、来陽は部屋を漁り始める。


そして目的のものを見つけ、その場に座り込む。


「また、傷付けた」

「来陽が悪いわけじゃないよ」


慰めるように、柚は来陽に寄り添う。


「忘れたくねぇよ」


悲痛の叫びのような来陽の言葉に、柚は苦しそうに顔を歪める。


「大丈夫。大丈夫だから」


そんな2人の関係性も知らなければ、2人の苦しみや痛みなんて、私は何1つ知らなかった。