Black World

そんな私と来陽の恋の花は、あまりにも綺麗に咲き過ぎた。


たくさんの愛を、注ぎ過ぎたのかもしれない。


だからこそ、その花はあまりにも一瞬で散ってしまったのかもしれない。


何の前触れもなく、突然。


『黒虎の来陽さんが事故に巻き込まれた』


そんな聞きたくもない知らせが、私の耳に届いた。


その知らせに同じ教室に居た、黒虎の連中は慌てたように教室を飛び出して行く。


残された生徒たちも、その知らせに騒がしくなる。


信じたくなくて、私は耳を塞いだ。


でもどんなに現実を否定してみても、何も変わることはなかった。