Black World

「俺、絢瀬が好きだ」


来陽が黒虎の人間じゃなかったら、どれだけ嬉しかっただろう。


来陽が悪いわけじゃないのに、そんなことを思ってしまう自分が嫌になる。


「でも、絢瀬を泣かせるかもしれない。傷付けるかもしれない」


告白にも似たような愛の言葉を口にして、返事を聞く前から来陽は傷付いたような顔をする。


「だから、諦めよう。って思ってた。でも出来なかった」


来陽がそんなことを思っていたなんて、私はこれっぽっちも知らなかった。


「本当は連絡先を交換した日、すぐ連絡しようと思ってた」


来陽の言葉に、私はただ耳を傾ける。