Black World

来陽の言葉の意図がわからず、私はただ視線だけを向ける。


嫌いだったら、わざわざ会いに来ない。


でも知らぬ間に、そう思われるようなことをしてしまったのだろうか?


だとするなら、ちゃんと誤解を解かないと。


そう思っていた時。


「黒虎。って、知ってる?」


唐突に聞かれた言葉に、戸惑いながらも頷く。


この町に住んでいて、黒虎を知らない人間なんて居ないと思う。


でも、黒虎が何?


「俺、黒虎の人間なんだ」


来陽の言葉に、仲間の顔が浮かぶ。


これ以上、来陽と繋がっていちゃイケない。


頭では理解しているのに、私には終わらせる勇気がない。