Black World

誰かに聞いて欲しい。


でも彼には、何ら関係ないこと。


それでも彼は、聞いてくれるだろうか?


「、、、成瀬」


震える声で、私は成瀬の名を呼ぶ。


「、、、助けて」


そう言うと、成瀬は私の腕を引き、何も言わずに歩き出す。


顔を隠すように俯きながら、私は黙って成瀬に付いていく。


__ガラッ__


ドアが開く音が聞こえる。


「空き教室。今なら、誰も来ない」


その言葉と同時に、捕まれていた腕が離される。


私は俯いたまま、成瀬の足元を追う。


机に寄りかかり、つま先はこちらを見ている。


カチカチ。っと、やけ秒針の音が響く。