そして、私も静かにその場を後にした。


頭の中で、何度も何度も、、、


『さよなら』


自分で口にした言葉が、リピートする。


学校の玄関まで、どうやって来たのか?


正直、覚えていない。


、、、良かった。


来陽の前で、泣かなくて。


そうホッとしたのも束の間で、プツリッと緊張の糸が切れたせいか、熱いものが込み上げてくる。


もう、限界だ。


下駄箱の前でしゃがみ込み、顔を隠す。


恋の終わりは、こんなにも苦しいだ。


独りで背負うには、大きすぎる重荷。


独りで抱え込むには、思い出が酷過ぎる。


__ポンッ__


誰かが、優しく頭を撫でる。


触れる温もりで、不思議と相手がわかる。