Black World

そんなことを思っていると、あの人はこちらへと近づいて来る。


何を、言われるのだろう。


自然と身構えてしまう。


だけど、あの人は私をスルーする。


そして、そのまま成瀬の目の前にやって来る。。


視線も逸らされ、今のあの人の瞳には成瀬が映っている。


もっと、見てよ。


私だよ?絢瀬だよ?


あの人に向かって、心の中で呟く。


言葉にできたら、どんなに良いだろう。


でも、拒絶されるのが怖い。


拒絶するような態度で、1度も見たこともない鋭い視線を向け、、、


「誰?」


そんな言葉を向けられ、どれだけ傷付いたか?


あの人は、知らない。