次の日、私は一昨日と同じ頃の時間に、同じ場所で誠司さんを待っていた。


多分、もう終わる頃。一昨日もちょっと遅かったけど、そろそろ来るから。


……でも、まさか今日休みってことはないよね?


誠司さんには何も伝えずにここにきたから、それだけが不安だった。

一応、誠司さんの休みは店休日と同じだけど、たまになんでもない日に休みだったりする。

今日に限ってそれだったら……


まあ、それは私が悪いんだもん。また明日にでもくればいいし!

開き直って私は考える。


本当は、あらかじめ連絡するとか、電話で話したらいいのかもしれない。

でも、それはしたくない。

ていうか『話がある』って連絡したら、やんわり断られる気がしたし、電話で話すとちゃんと伝わらなくて、それもまた誤魔化されるような気がするから。


アポなしで直接会って、それで伝える。

私にはそれしかない。


……なんか、私ってそのパターンばっかりだな。

体当たりで告白して、玉砕して、また体当たりで告白して……

猪突猛進っていうの?


でも、誠司さんが積極的じゃないから、ていうか引き気味なくらいだし、これくらいじゃないと進めないんだよね。


それに、こんな私だから、この結論を出したんだ。


後悔はしなてない。しない。絶対に。



「雛ちゃん?」

声がしてそっちに顔を向けると、そこに誠司さんがいた。


「あっ……」

ちょっと違うことを考えていたせいで、すぐには言葉が出てこなかった。


「どうしたの? こんなところで」

誠司さんは不思議そうに言った。


びっくりするくらい普通の反応。もうちょっと戸惑ってくれてもいいのに……


「……誠司さんを待ってたの! ちょっと、話したいことがあって」