ピンポーン……
何だかんだで、誠司さんの実家へは、五度目の訪問。(一回目は、家の前まで来ただけだけど)
三日前はすっぽかしちゃったからな。ちゃんと謝らないと。
「はい」
インターホンから、郁子さんの声がした。
「あ、雛子です」
「はーい。どうぞ入ってー」
……訪問五回目にして名前だけですんなり通っちゃったよ。
まあ、約束してたからだけど。
門を開けて家の敷地に入って、玄関へ向かう。
丁度ドアの前に立ったところで、ドアが開く。
「いらっしゃい、雛子ちゃん」
郁子さんが出迎えてくれる。
「こんにちは……あ、あの、この前はすみませんでした」
私は三日前のことで頭を下げて謝った。
三日前も謝ったけど前はすぐに帰ったから、一応、もう一度。
「ああ、いいのよ、全然。慶ちゃんと遊んでくれてたんだし、気にしないで。さ。上がって」
郁子さんにも何のことかすぐにわかったようで、三日前と同じに笑顔で許してくれた。
「お邪魔します」
靴を脱いで、家へ上がる。
郁子さんがリビングに入るのについて、私もリビングに入った。
「慶ちゃん、栄ちゃん。雛ちゃんが来たわよー」
郁子さんが言うと、そこで遊んでいた二人は同時にこっちを向いた。
「あー!」
私を見た瞬間、栄太君が大きな声を出してこっちに手を伸ばした。
「あら栄ちゃん。雛子ちゃんが来て嬉しいの?」
「ううー」
郁子さんに答えるように声をだしながら、栄太君は物凄い勢いで私に向かってハイハイしてくる。
「栄太くーん」
私がしゃがむのと同時に栄太君は私の目の前にやってきていて、膝にタッチする。
「ううー。あっ。あっ」
栄太君は私右手を私に伸ばし、左手で私の膝を押してよじ登ってこようとする。
いきなり抱っこかな?
私が栄太君を抱っこすると、栄太君はすぐに私の胸をベタベタと触ってって顔をこすり付けてくる。
……ああ、そっちね。


