「えっと……とりあえず、説明すると……」

誠司さんは言いづらそうにしながらも言うと、腕の中の赤ちゃんを抱え直し、私に顔が見えるようにした。


「俺の子なんだ。こいつら。……こっちが慶太で、こっちが栄太」


誠司さんは、後ろに隠れている男の子を『慶太』と、赤ちゃんの方を『栄太』と言った。

赤ちゃんの方も、男の子だったみたいだ。



……って。

そんなこと考えてる場合じゃない。



誠司さん、今なんて言った?


頭が考えることを拒否してる。事実を認めることを、嫌がっている。



――俺の子なんだ。



私の体はどうかしてる。

拒否反応を示しているくせに、誠司さんの言ったことが、耳の中で繰り返された。



「ええぇぇぇーーーーー!?」


私は、自分でもこんな大きな声がでるのかって驚くほど、大きな声で叫んでしまった。