まさか、こんなことになるなんて、思ってもみなかったことだ。
「誠司さん。そろそろ私と付き合ってよ」
彼への告白は、これで三度目になる。
「え……」
誠司さんは、食後のコーヒーを飲もうとカップを口元に持っていったまま、固まっている。
でも、すぐにそのカップを静かに置き、視線をあたしから逸らした。
……やっぱり。今日もダメなの?
過去二回の経験で、何となく分かる。
この雰囲気は「NO」だ。
三度目の正直となるのか、二度あることは三度あるとなるのか。
もしかしたら今回はという期待半分と、やっぱり今回もという予想半分とで告白した。
今回は後者だったみたいだ。
「雛ちゃん……雛ちゃんの気持ちは、本当に嬉しいよ。……でも、やっぱり俺は」
「何で?」
誠司さんが言い終わる前に私は言った。
今回の告白は、だめ元でした告白じゃない。
はっきりさせるための告白だ。
「ちなみに、年の差がどうのとか、妹みたい、とか、そういうのは受け付けないから」
誠司さんの返事の前に先手を打つと、誠司さんは困ったように苦笑いしていた。