アカネはジト目で俺を見た。



そして俺の頭にアカネの声が響いた。


「これはヤマオオヌシは毛皮だ」

「あ、そうなんですか?なんだー、あたしはてっきりクマかオオカミの毛皮なのかと思っ………」



そこまで言って止まった。



「ヤマオオヌシはクマやオオカミとは別格の生き物だ」

「……へぇー」



『なんであたしの心の質問に答えてるんだ?』



ふっ…


「さぁな。それより喰われたくないなら急げ」

「っ!!?」



俺は前に向き直り更に早く歩いた。