それからの2人はというと

「ごめん、雪まった?」

「10分ぐらいです・・・」

最初の頃は雪はとても真面目で2人でデートというのに敬語とかで

「そろそろ、敬語やめようよ」

「裕也君がやめろって言うなら、やめる」

「じゃあ、いまからね」

「・・・わかった」

「周りから見てもカップルにみえてないんだろうね、僕たち」

「・・・ごめん」

「いや!こうすれば!」

そういって雪の左手をつかむ。

「・・・え!」

さすがの雪も声が出てしまって、その声がとても可愛かった。

「いやだった?」

「ううん、初めて男の子と手なんてつないだからびっくりして」

その頃の二人は何をするにも初めてでその度にどきどきして、その度に二人の距離は近づいていって。

雪の言葉も少しづつ柔らかくなっていった。