~ 水無月 視点 ~
私は、授業を早めに終え廊下を歩いていたら、階段の隅で誰かが丸くなり泣いていた
「あの…どうかしましたか…?」
一応教師なので、泣いている生徒をほっとくわけにはいかない。
「…うぅ…水無…月…さーん…!」
生徒は、顔を上げて私を見てくるかと思ったら、泣きながら私に抱きついてきた。
「暁…くん?」
「はいぃぃ…」
なんで泣いてるんですか…!?
それに、暁くんが泣くとこなんて初めて見ました。
「ぼ、ぼく…うぅ…っ…ホモじゃないぃ…」
「えっ…? あぁ、そうですね…?
暁くんは、ホモじゃないと思いますよ…?」
ホモ…?
何を言っているんだ、暁くんは…
「ぐすっ…なんで…?つくんですかぁぁ…
僕は、ホモじゃないです…っ…」
「いや、暁くんの好きなタイプが分からないもので…」
「そんなのぉぉ…僕も分かりませんよぉ…
好きな人出来たことないんですからぁ…」
「あっ、そうなんですか?
逆に凄いことですね。18にもなって好きな人出来たことないって。」
「…ぅ…僕をバカにしてるんですかっ…」
「いや、馬鹿にしたつもりはないですよ」
それより、今この状況をなんとかしないと…
こんなところ、生徒に見られたら…



