「私が逃げようとしたら、すぐにでも追いかけてくるくせに…!」
「あれれ~? バレた?」
結城が、電話の向こうで笑っているのが聞こえた。
「ふざけるなっ!
お前は、俺を捕まえて…
いつまでここに居させる気だ!
自由…?
そんな言葉、俺にはないだろ!」
こいつの前じゃ、いつもの調子が狂わされる!
「うん、やっぱり…
その方が悠真に合ってるよ。
高校時代の悠真に戻ったね。」
くそっ…!
何、嬉しそうな声を出してやがる…!
携帯越しでも、お前の笑みが分かる。
「お前は、何故…
俺をここに入れた…?
パソコン関係が得意だったからか…?
それとも、俺の弱味を握っているからか?」
何度も思ったことだ…
何故、こいつは…
俺を自由にさせてくれない…?



