私は、泰人さんの子どもを糸で操り…
紅い鴉から盗んだナイフを握らせて…
紅い鴉に向かってナイフを刺そうと操ったら…
「………いっ……!」
「と、父さん…っ!」
「………ぁ……泰人さん…?…」
泰人さんが飛び込んできてナイフが刺さり…
紅い鴉を庇うように一緒に倒れた。
嘘でしょう……?
私は、驚いて泰人さんの子どもを操っていた糸を離した。
「父さんっ…!」
「泰人さん!泰人さんっ!」
泰人さんは、そのまま眠るように死んだ。
「な、なんだよ…これ……」
もう一人の泰人さんの子どもが息を切らして走ってきたのか額には汗がたくさん浮かんでいた。
「………兄さん…
なんで、なんで…
父さんを殺したんだよ…っ!」
もう一人の泰人さんの子どもは、遠くから見ていたのか、責めていた。
やってしまった…
私が…私が…
蕾様の大切な人を……



