「………………」
「翔……?」
そっか…
兄さんは、全て俺のために…
人を殺すのも何も思わないんだね…
全て俺のため…
「アハハハハ…」
「翔。どうしたんだ…」
俺のせいで兄さんは、人殺しになったんだ…
全て俺のせいじゃないか…
「兄さん、ごめんね。
俺が間違ってたよ。
兄さんを恨むなんて最低だね。
俺が悪いのに…」
「翔…?」
馬鹿だ、俺…
なんで兄さんを恨むんだよ…
俺が原因で兄さんがこんなになったんじゃないか…!
「兄さん。
兄さんは、俺がいるから駄目になったんだね…
ごめんね、兄さん。
もう兄さんに辛いことはさせないから…」
「………?
……… ! ! 翔 ー ! ! 」
俺は、兄さんにニコッと笑い…
兄さんの胸ではなく、自分の胸にダーツの矢を刺した。
「……う…ぁ…」
さすがに痛いな、この矢は…
兄さんの武器と少し似ていて、金属をも貫く矢…
「翔 ! ! しっかりしろっ!」
兄さんがあれこれ俺の手当てをしていたけど…
俺は、兄さんの手を掴んで笑った。
「……そ…んな……こと…しなくて…い…
兄…さ…ん……幸…せ……に…なっ……て…」
「ふざけるなっ!
今でも、十分幸せなんだよっ!
翔がいるから幸せなんだよっ!
待ってろ。すぐに止血して医者を呼ぶから…!」
もう駄目だよ、兄さん…
俺、心臓に刺したんだ…
助からないよ…



