~ 翼 視点 ~
ガチャ…
玄関の扉が開いた音がして、俺はすぐに玄関に向かった。
「心配したんだぞ、翔っ!」
「…………ごめん、兄さん…」
翔は、俺と顔を合わそうとせずリビングに向かった。
俺も翔のあとを追いかけて、外は雨だったから翔が風邪を引くんじゃないかと心配して翔の大好きなホットミルクを作り飲ませた。
「翔、どこに行ってたんだ?
お兄ちゃん、心配で…
街の中を捜しに行ったんだぞ…!」
「……………ごめん…」
翔は、俺が作ったホットミルクを飲み言った。
翔。家を出たとき制服だったはずだよね…?
なんで制服じゃないのかな…?
フフッ…
お兄ちゃんは、そんな野暮なことは聞かないよ。
あの女、嫌がる翔を無理矢理襲おうとしたんだ…
ちゃんと、片付けたからね…
翔が、どこに行ってたのかも知ってるよ。
また悠真くんのとこに行ったんだよね?
でも、ちゃんとお兄ちゃんのとこに戻ってきたんだ…
何も言わないよ。