「駄目だ!」


俺が言う前に、南さんが暁くんを止めた。


「暁くん。駄目だよ…

行っちゃ、駄目だ。」


南さんも俺と同じことを思ったのだろう…

暁くんを必死に止めていた。


「翔。暁くんは、南さんと今から用事があるので連れて行かないでください。」


「……ちょっ、水無月さん!」


駄目だ。

暁くんは、あの人と会ったら絶対に殺る気だ。


「…………分かったよ…

じゃあ、また用事が終わったら…
いつでも帰ってきてね。


じゃあ、悠真に弥生さんに南さん。

また、明日ね。」


翔は、俺と南さんが必死に暁くんを行かせないようにしていることが分かって、暁くんを置いて帰って行った。


「……っ…

どうして、結城さん一人で行かせたんですか!


また、同じことの繰り返しじゃないですか!」


「あの人は、結城に何もしません。

でも、暁くん。


あなたがあの人と会ったら…

暁くんもあの人も殺し合うかもしれないでしょう?


それなら、まだ結城を一人行かした方が良いと判断しただけです。」


そうだ。

翔なら、まだ大丈夫だ。


暁くんを行かしたら…

もう終わりだ。