「七瀬、どうしたんだ………結城!起きたのか!?」
「えっ…!? 結城さん、起きているんですか!?
大丈夫なんですか!? 結城さん!」
「あぁ…うん……大丈夫だけど…」
翔は、南さんと暁くんに驚き、横目で俺に助けを求めてきた。
「七瀬さん。すみません。
今、結城は少し記憶が欠落していて…
七瀬さんと南さんのことが分からないみたいなんです。」
俺は、そう言って翔に抱きついている七瀬さんを翔から離した。
「「「 記憶が欠落している!? 」」」
三人は、驚いて翔を探るように見ていた。
「本当なの、翔ちゃん!
私のこと、分からないの!?」
「…すみません……」
翔の言葉に七瀬さんはガックリとした表情で床に座りこんだ。
ショックだろうな…
好きなヤツに忘れられたなんて…
「…………」
南さんは、表情を変えず…
ただ、翔を見ていた。
南さんは、何も思わないのか…?
まぁ、あまり翔といる時間がないから…
何も思わないのは、仕方ないのかもしれないな…
「何故、七瀬さんと南さんのことだけ…?
水無月さんや僕のことは、覚えているんですか?」
「結城は、高3までの記憶しかないみたいなんです。
暁くんや私は、高3のときには翔と会っていますから、覚えているんです。」
俺の言葉に翔は、少し驚き…
また、暁くんたちを見て苦笑いしていた。
なんだ…?
何故、驚いた…?



