~ 濱田 視点 ~
なんなんだ、この状況…
「琴羽!早く帰れ!」
「なんだよ、少しくらい、いいだろ~?」
「兄さん。あまり大きな声出さないでよ。
近所迷惑でしょう?」
帰りたい…
すごく帰りたい…っ!
俺、ただ琴羽さんを連れて帰ろうとしただけなのに…
何故か分からないが、ボスたちと一緒にお茶している…
「琴羽さんって…
兄さんと同じ大学の人なんですか…?」
「う~ん…
ちょっと違うけど、そんなとこだよ。」
ボスの弟さんの質問に琴羽さんは、笑顔で答えていた。
「じゃあ、兄さんとは友達なんですか…?」
「………うん、まぁ そんなとこだね。」
…………やっぱりだ。
ボス、あの薬弟さんに使ったな…
確かボスの弟さんは、琴羽さんと一度会っているはず…
知らないわけがない…
「……よかった…」
ボスの弟さんが、安心したように笑った。
「何がよかったんだ、翔。」
「兄さんに友達がいたことだよ…
いつも兄さん、俺のことばかりお守りしているから、友達作る機会ないのかと心配してたんだ…
本当によかったよ…」
ボスの弟さんは、俺らにニコッと笑った。
天使…!?
良い子すぎるだろ…!
俺とボスは、そんなことを思っていたが…
琴羽さんだけは、弟さんを睨んでいた。



