俺は、家の中に入れたがらない兄さんを無視して琴羽さんをリビングに案内した。
兄さんの友達が来るなんて…
初めてなんじゃないかな…?
琴羽さんは、俺の真向かいに座ると俺をじっと見ていた。
「えっと…
俺、居ない方がいいかな…?」
「ダメだっ!翔は、ここにいればいい!
琴羽!帰れっ!」
「そうだよ、ここにいなよ~
翔くんに色々聞きたいことあるし~」
琴羽さんは、兄さんの言葉を無視して俺を呼び止めた。相変わらず睨んでる感じだけど…
ピンポーン…♪
また、家の呼び鈴が鳴った。
「ちっ!次は誰だ!
俺と翔の邪魔をしやがって!」
俺は、何故か気になり兄さんのあとをついて玄関に向かった。
「すみません、ボ……いや、翼さん!
琴羽さん、来ていませんか…?」
「良いところに来た、透っ!
琴羽を連れて帰れっ!」
次も兄さんの知り合いみたいで…
俺と同じ年くらいの男の人がいた。
「あっ、濱ちゃん~
こっちにおいでよ~」
「琴羽さんっ!」
「透っ!早く琴羽を連れて帰れっ!」
なに、この状況…
琴羽さんは、寛いでいるし…
透って呼ばれている男の人は、兄さんの言葉と琴羽さんの言葉で慌てているし…
兄さんは、キレているし…
よく、分かんないー!
俺は、混乱しながらも兄さんの知り合いが来てくれたんだから、家に入れた。
もちろん、兄さんは不機嫌だったけど…



