~ 結城 視点 ~


「……う……ょう………翔ー!」


誰かの声がする…


「起きろー、翔。

起きないなら~


イタズラしちゃうよぉ~?」


「…………兄さん…?」


目を開けると鼻があたりそうな距離で俺を覗いている笑顔の兄さんがいた。


「兄さん、近いよ…」


「えぇー?そんなことないよぉー?」


近いって…


俺は、兄さんの肩を押して遠ざけた。


「兄さん、早く弟離れしなよ…

俺、もう高校生だよ…?」


「……………そうだね~

もう、高校生になるのか翔わ~


こんなに小さくて可愛いかったのになぁ~

いや、今も可愛いんだけどな~?」


可愛くないって…

いつまでも子供扱いするんだから…


俺は、ベットから下りパジャマから普段着に着替えようとクローゼットから服を取りだし着替えた。


あれ…?

携帯がない…


「兄さん。

また、俺の携帯盗んだね…?」


「盗んだなんて失礼だなぁ~

ちょっと借りただけだよ~」


兄さんは、時々俺の携帯を盗む。

盗む理由は、中身を見るためだ。


なんで見るのかは、分からないが…

携帯を盗まれるたび、携帯に登録してあるメアドなどか消えていた。


兄さんは、何がしたいんだ……?