「………」


「えっ…!?ちょっ、ちょっと…!」


女の人は、いきなり僕の首に腕を絡ませて抱きついてきた。


な、なんで抱きつくのー!?

それに、女の人が抱きついてくるのに反応出来なかった…


なんで……?


「……つ……か……まえ……た……」


「……えっ…!?」


女の人が僕の耳元で囁いた瞬間…


「……うっ…」


「………!

水無月さ……!」


水無月さんの声が聞こえたと思って振り向こうとしたら、首に蚊に刺されたような痛みが走ったと思ったら、その場に倒れてしまった。

女の人は、僕が倒れようとしたところで腕を離して僕から離れた。


「天ちゃんっ!よう頑張ったな!

えらい、えらい!」


「……う…ん…」


「ごめんな、暁…」


やられた…

南さんたちが危ない…


くそっ…!

意識が……


僕の意識が遠ざかっていく中で、そんな声が聞こえていた。