男が翔ちゃんを肩に担いで私たちの横を通り…
「じゃあね、翔のお友達。」
クスッと笑い、そのままドアから出ていった。
「翔ちゃーんっ!!」
「クソッ!!」
私たちは、翔ちゃんが連れ去られるのを黙って見ることしか出来なかった。
翔ちゃん!!
「あぁ、やっちまったな…」
「あんたは…!」
顔を上げてドアを見ると…
私をナンパしてきた男が私を見下ろしていた。
「俺は、翼にお前らを会わせないようにしてたんだぜ?
だけど、バレちまったからな…」
男は、ペラペラと話続けた。
「翼には、逆らえねぇよ。
俺らは、翼に恩があるからな…
あぁー、でも弥生を手に入れたかったなぁ…!
こんなに、イイ女なのに諦めろはひでぇよな?」
「あいつに言われたのか…?」
南が私をジロジロ見ているナンパ男に話しかけた。
「あ?あぁ、そうだよ。
俺がお前らの居場所を隠してるのが分かってな…
翼に殺されかけたよ。」
「なんで居場所知ってんだよ。」
南は、男を睨み付けながら言っていた。
こいつが、この場所を知ってたのは…
もしかして…
「弥生と初めて会ったとき、弥生はベロベロに酔っていてな…
この場所まで運んでやったんだよ。」



