「……俺がなんとかしてあげるよ。」
私たちが話している後ろから穏やかな男の声が聞こえたと思って後ろを向くと…
「……えっ…」
「なっ…」
何が起こったのか分からない。
私と南は、後ろを向いた瞬間…床に倒れた。
自分が倒れていることに気づいたのは、しばらく経ってからだった。
「あぁ…
なんて可愛い寝顔なんだろうね…
まるで、天使を見てるみたいだよ…」
男は、うっとりした顔と声で翔ちゃんを見ていた。
顔だけは、男の方を向けたが…
体が動かない。
動かそうとすると…
縛られているみたいに体が痛くて動かない。
「てめぇは…!」
「やぁ、南さん。
翔の面倒を見てくれてありがとね。
これからは、翔は俺が見るから…
家族の邪魔しないでね?」
南は、男を知っている感じだった。
誰なの、この男…
家族とか言ってるけど…
翔ちゃんに家族はいないはずでしょう…?
「ちょっと!翔ちゃんに触れないでよ!」
男が厭らしい手つきで翔ちゃんの顔を撫でていた。



