「あぁ、死んだよ。
お兄さんを父さんの代わりにしようなんてしてないよ?
だけど、暁くんにはお兄さ…南さんが必要だ。
だから、お兄さんを仲間…家族にしたんだよ。」
「アイツを俺が必要?
笑わせんな!お前だろうが!
お前がアイツを必要としてんだろうが!」
俺がいつ、あの人に似た奴を必要と言った!?
俺は一人でも大丈夫なんだよ!
俺じゃなくてお前が必要としてんだろ!
あの人に似た奴を…
南を必要としてんのはお前だ!
「俺のためとか言うなら…
アイツをもう俺らに関わらせるな…
また、失うぞ…」
そうだ。
また、同じことの繰り返しになる。
俺らに関わったら、また…
「もう、無理だよ。
翼は南さんを見て知ってしまった…
必ず、お兄さんを殺す。
それなら、俺らが近くにいて守ればいい。
次は絶対に、家族を失わせない。」
翔は、強い瞳だった。
この目は、知っている。
覚悟を決めた目だ。



