「もう、なんなんだよ…
翼が父さんを殺したんだよ…
翼もそう言ってるじゃないか…
なんで、あの男はあんなこと言ってきたんだよ…」
もし、男が本当のことを言ってるなら…
結城の兄さんが嘘をついた理由は…
お前を自分しか見れないようにするため。
なにをしてでも、お前の頭の中を自分で埋めて欲しかったんだろうな…
こんな感じだろ、あの人の性格なら…
俺は、ずっと疑問に思っていたことがある。
結城の兄さんは、結城の親父さんを結城と同じくらい慕っていたし、大切だと思っていたはずだ。
暁くんを家族にしようとしたくらいで殺すか…?
それが、ずっと疑問に思っていた。
「もう、わけわかんねぇ…
なんか疲れた…もうツライ…な…」
結城は、下を向いて顔を見せないように手で顔を隠していた。
家族を殺され…
家族を疑い…
家族を殺そうとしている…
だから、結城は…
家族というなのBBBを作ったんだ。
家族がいないと生きていけないようなヤツだから…
「行くなよ。」
「えっ……?」
俺は、泣いている翔に言った。
翔は、涙を流しながら俺を見てきた。
「もう、どこにも行くなよ。
調べ直すなら、俺らも一緒に行くから…
一人で行こうとするな。」
こいつのことだから…
いつの間にか、また、どっかに行ってしまう…
こいつに首輪なんてつけても…
ペットのように縛ることなんて出来ないんだ。
自分で壊そうとするからな…



