「何を言いたいのか分かりません。」
「あれれ?頭の良い悠真が俺の言いたいこと分からないの?
誰だって盗聴器つけられたら嫌なんだよ。
あっ、もしかして…
お兄さんが言う俺は変人だから、喜ぶとでも思ってんの?
うん、俺は変人かもね?
でもさ、変態ではないんだよね?
盗聴器つけられたら、怒るに決まってるだろ。」
結城は、あきらかに怒っていた。
これで二回目だから、余計に怒っている。
「まぁ、いいや…
盗聴器のことは、また話そうか。」
結城は、イスから降り俺を見下ろしていた。
「聞いていたんだろ?
弥生さんにナンパしていた男が俺に言った言葉。」
「………」
聞いていた。
たまたま、聞いた。
男が結城に言った言葉を…
「聞いたんでしょう?
黙ってないで、答えてくんない?」
「………聞きましたよ。」
すると結城は、そっか…と言ってふわりと笑った。



