「おい、どうした結城…?」


南も翔ちゃんの様子に気づいたみたいで声をかけた。


「……ごめん、ごめん。なんでもないよ。

さぁ、帰ろうか。早く帰らないと悠真が怒るからね~」


翔ちゃんは、いつもの笑顔に戻って私たちの背中を押してきた。


「何言われたんだよ。」


「…なにも言われてないって~!

弥生さんをただ狙ってるから…
俺に弥生さんから離れろって言われただけだよ~!」


嘘だ…

すぐに私と南は翔ちゃんの嘘に気づいた。


たぶん、このまま翔ちゃんに聞いても教えてくれない…

一体、あいつは何を言ったの…!?


私と南は、不満を残したまま事務所に帰った。

いつも通り、暁くんが迎えてくれて…
水無月は、部屋に籠りっぱなしだった。


翔ちゃん…

大丈夫なの…?


翔ちゃんは、ソファに座って何かを考えていた。

暁くんも、翔ちゃんの異変に気づいたのか話かけずに黙っていた。


あいつ、絶対に許さないっ!

翔ちゃんを何かで悩ませるなんてー!