「あっ、その顔は思い出したね?

どう?また俺と飲まない?


弥生の愚痴とか、また聞いてあげるからさ。」


なに、こいつ…

私を誘っているつもり?


確かに、顔はイイけど…

こんなヤツ、相手にしない。


「消えてくれる?

今、デート中なの。」


「ふ~ん…

デートしてくれたんだ?


よかったじゃん。」


私は、男を無視してレジで口紅を買った。

男は、私の横に並びニコッと笑った。


「消えてって言ったでしょう?

邪魔なの。どっか行ってくれる?」


「弥生の想い人見てみようと思ってさ。

俺を相手にしないくらいなんだから…
相当イケメンなんだろ?」


うざっ!

なに、こいつ…


自分がカッコイイと思っているナルシストってヤツ?

キモいんだけど。


「マジどっか行って。

迷惑。大声で叫ぶわよ。」


「おぉー、怖い怖い。

そんな顔しないで笑えよ。
そっちの方が可愛いんだからさ。」


キモい。

そんな台詞は、何十回って言われてきた。


ドキッとするとでも思ってんの?