「……無事…ケーキ……」
「…えっ?」
ケーキが無事ってことだったの!?
いやいや、君が無事か聞いたんだけど…
女の人は、二つ結びの可愛い人っていうより女の子って感じだった。
「天ちゃんっ!なんかあったん?」
関西弁?の暁くんくらいの歳の男の子が俺とぶつかった女の子に近づいて言ってきていた。
「……何も…」
「ほんまか?なら、ええけど…」
男の子は、心配そうに女の子に声をかけて女の子が答えると安心したように笑った。
「ん?なんや、あんたら。」
「…なんでも…ない……食べよ…」
男の子が俺らに気づいて言ってきたが、女の子が男の子の手を引っ張り席に向かった。
「なんなの、あれ…」
七瀬の言葉は、結城も俺も思っていたことだった。
そして七瀬は、次の場所に行こうと言ってまた結城の腕に抱きついて店を出た。
まだ、どこか行くのかよ…



