「おーい、ゆい?」

おっと!いけない、いけない。

考え事をすると上の空になる私。


「なにー?」

「俺、りあとれおに会いにいくゎ。」


へー……って、えぇー???


「今…、なんて…?」


魔法界は二つに分かれていて、私とりっくんはマディス、りあとれおはチュイラにいる。

二つの国は憎みあっていて、瞬間移動をしていても見つかって殺される確率が高い。


ただ、集中力と強い魔力と体力全てが揃った時、人間界を通って行くことができなくもない。

でも時空を超えるときに異次元に行ったり、

失敗する確率の方が高い。


高校生の私たちは無理に等しい。


もしも、集中力が切れたら

異次元で粉々になって消えてしまう。


それをやろうと言い出すりっくんには、何かあったはずだ。


「俺は絶対に、行ける。

だって、ゆいがいるから。頑張れる」


な、ななな////


不意打ちで恥ずかしいこと言うのやめよ

でもりっくんの目は真剣そのもの。
彼女としてしっかりしなきゃ!!


「わかった、応援してるから。

絶対に帰ってきてよ?」


私は怖かった。
こんなに幸せなのに……。

でも私だけじゃない、
りっくんだって怖いはずなのに…。



りっくんのお父さんは、

悪魔界に行く途中、亡くなった。


なのに…。

やっぱりりっくんは強いよ。

大好きな人はこれでなきゃね。