『滝本さんとは?って早見先生が聞いて、会ってないし連絡もとってないって理瀬さんが言ってて。』
青井先生が言ったこの前とは、私が先生に離婚の報告を受けてから2週間ほどが経った日のことだった。
先生は、信頼できる早見先生にだけ私とのことを話していたのかもしれない。
『離婚したばかりの理瀬さんが滝本さんとは会ってないって、滝本さんが理瀬さんの離婚に何か関係してるのかなって思ってしまって。』
「それは…」
関係していないと言ったら嘘になるのかもしれない。
先生にちゃんと話した方がいいと言ったのは私だ。
そうしてあわよくば私のところに来てほしいと思ったのも、本当だ。
『理瀬さんみたいに真面目な人が離婚したことにも驚いたけど、もしかして滝本さんと何かあったからなのかなって思ったら急に滝本さんのことが心配になって。』
「私が?」
『巻き込まれたんじゃないかって。その…浮気とか、不倫とか。』
そんなことはしていないはずだ。
ただ1度、少し遠くへ出かけただけ。



