注意されないのかな?と思うような明るく綺麗な茶髪に、すらりとした長身。

私服姿でもすぐに分かるほど、青井先生は青井先生のままだった。



『久しぶりだね。』

「はい、お久しぶりです。」


だからこそ、本当に私を覚えてくれていたことに驚く。

青井先生は男女問わずとても人気があって、いつも生徒たちに囲まれている姿を遠くから見ていた。

教習では何度かお世話になったから話したことも沢山あるけれど、それでもやっぱり私からは遠い存在だった。



「偶然ですね。」

『うん。ここに来れば、偶然会えるかと思って。』

「え?」


いつも人の良さそうな笑顔でニコニコと笑う青井先生の、思いがけず真剣な表情に目を逸らせなくなる。

ここに来れば、偶然会えるかと思って…?



『理瀬さんなら、もうここには来ないと思うよ。』

「…え?」


その一文字しか言えなくなったみたいに、何度も聞き返してばかりいる。

どうして突然先生の名前が出るのか。

まるで私がここに先生を探しに来てることを全部見透かしてるみたいだ。