白い海を辿って。


『はは〜ん。そりゃ大人になるはずだ。』

「別に、まだそういうんじゃなくて…」


だって先生まだ離婚してないし。

待ってて、と言われてから何の音沙汰もないし。



『いいのいいの、無理に話そうと思わなくて。ただ1人で煮詰まりそうになったらいつでも話は聞くからってことを言いたかっただけ。』


倫子さんは正真正銘の大人で、今私の周りにいる誰よりも頼りになる味方だ。

先生とはこれからどうなるか分からない。

やっと連絡が来たと思っても奥さんとやり直すことになったという報告の可能性もあって。

そのとき私は、笑顔で良かったですねと言えるだろうか。

分からない。分からないけど、これからどうなろうとそのとき倫子さんに話を聞いてもらえれば大丈夫になれるんだろうと思えた。


その日から1週間が経った夜、先生からの連絡は突然やって来た。


先生が待っててと言ったあの日からは1ヶ月以上が経っている。

今度の休みに会って話がしたいと、ただ一言そう書かれていただけのLINE。


それがどんな話なのかその一文だけでは分からなくて、私はただその日を待つことしかできなかった。