「危なっかしいって?心配なのは駐車くらいじゃなかった?」
『いや運転に関しては何も心配してないですよ。なんていうか…性格?不安なこととか全然人に言えないタイプじゃないっすか。』
「そう、かな。」
高嶺くんの言葉に曖昧に答えることしかできない。
そんな彼女の一面は初めて知った。
そして高嶺くんが思いのほか近い距離で彼女と接していたことを知って少し動揺している。
『いつも自分からは何も言わない感じの子でしたよね、心配なことがあっても。でも顔が不安気だからすぐ分かるっていう。』
青井くんが笑いながら言うと、高嶺くんも『そうそう』と同意する。
やっぱり知らない。
そんな彼女は、知らない。
「しっかりしてそうなイメージだったけどな、俺。」
『え、しっかり?』
『それはないな~。』
正直に彼女の印象を話すと、2人に即否定されてしまった。
じゃあ俺が見ていた彼女は、なんだったのだろうか。



