「お父さん、最後まで桜立のこと考えてた。
私もその時初めて主人に逆らっちゃった」
そう、初めて
『もう、やめてください!
こんなこと続けたってこの人は何も言わない!分かっているでしょう?』
『なあ……娘よ。
私は今まであいつに、父親らしいことをなに一つ、できなかった。最後くらい父親として、息子を、命を懸けて守ってもいいじゃないか』
そして、もうボロボロで動けない足なのに私に近づいて、抱きしめてきた。
ああ、これが親の温もりなのかなってその時は思った。
『そして、お前のことも守りきれない。こんな父親は、嫌かもしれないが、それでもお前は私の娘』
お父さんの最後の言葉は、それだった。
ゆっくり、目を閉じて、だんだん抱きしめる力が緩くなって、冷たかった。
「ねえ、桜立は思われてないなんてありえない。
だって、あんなにも子供を思う人、私その時初めて見た。
どんな主人も、親は子には冷たく、その家の子たちはまるで私のようだった。
桜立は愛されてたよ。
お父さんはお父さんなりに、精一杯桜立を愛してたんだよ」
最後は凄く不器用だったけど、精一杯愛してた。
愛を知った今だからわかる。
私もその時初めて主人に逆らっちゃった」
そう、初めて
『もう、やめてください!
こんなこと続けたってこの人は何も言わない!分かっているでしょう?』
『なあ……娘よ。
私は今まであいつに、父親らしいことをなに一つ、できなかった。最後くらい父親として、息子を、命を懸けて守ってもいいじゃないか』
そして、もうボロボロで動けない足なのに私に近づいて、抱きしめてきた。
ああ、これが親の温もりなのかなってその時は思った。
『そして、お前のことも守りきれない。こんな父親は、嫌かもしれないが、それでもお前は私の娘』
お父さんの最後の言葉は、それだった。
ゆっくり、目を閉じて、だんだん抱きしめる力が緩くなって、冷たかった。
「ねえ、桜立は思われてないなんてありえない。
だって、あんなにも子供を思う人、私その時初めて見た。
どんな主人も、親は子には冷たく、その家の子たちはまるで私のようだった。
桜立は愛されてたよ。
お父さんはお父さんなりに、精一杯桜立を愛してたんだよ」
最後は凄く不器用だったけど、精一杯愛してた。
愛を知った今だからわかる。
