あなたがいればそれでいい

それから、しばらくしてある主人に私は捕まった。
その主人は、ある組の若頭だった男


「そいつは自分の権力をすべて使って、私の今までの主人や、私に関わった人間を調べて、殺していった。



でも、ただ一人分からなかった。
それが、桜立」



「え?」



私の言葉に、驚いたようにこちらを見る桜立



「必死に隠したんだよ。桜立のこと」




お父さんが。そういうと、桜立は嘘だと言った。




「嘘じゃない。必死に言ってた。絶対に言わない。私に土下座もしたよ。言わないでくれって」




そんなことしなくても、言うつもりなんて傍からなかったのに。