あなたがいればそれでいい

そのまま動けないから要とお風呂に入って、洗ってもらった。
要の触り方がくすぐったくて、熱をもってしまった体にもう一度要を刻み込まれた。



「要の意地悪」


「ノワが可愛いのが悪い。それに、もとはと言えばノワが誘ってきたんだろ」


「誘ってない」


「いや、俺は誘惑された。ノワを見るたび俺は欲情するから」


「なにそれ」




思わず笑ってしまった。



「よし、明日は学校は無理だな。休みだな」


「うん」



正直言って、明日になっても体を動かせる気がしない。



「夜ごはん何食べたい?」


「お腹すいてない」


「ダメだ。昼も食べてないだろ」


「うぅ」




お腹は空かない。今までの主人は食事をさせてくれないなんて珍しくなかったし
でも、要は違う。私の事には自分のこと以上に過保護になって甘やかしてくる。



「卵粥作るか」


「うん!」



あれなら食べられる。要の作ってくれる料理はどれもおいしいけど、一番好きなのはこれだ。