「んぁ、はっあっ」



あ、やばいかも、要の目が、獣のような、鋭い眼をしてる。
要の胸を叩いて、状況を確認するよう、目線で訴える。



「ん」


チュッ



最後にリップ音をつけて離れてくれた要はすぐに立ち上がった。



「どこいくんだよ!」



「帰る」



「は!?まだ午前中ですけど!」



「害虫見て気分悪い。それでも、このままここにいろと?」



「っ」




全員が、息をのんだのが分かった。
でも、要が私の手を掴む手が強すぎて、優しくない要がどう思ってるか手に取るように分かるから、気にしないふりをして、要にすり寄った。



それから、家まではずっと無言だった。