「ね、ねえ、ノワちゃんって、何者なの?」


「確かにそれは思いますね」




何者って言われても、人間としか答えようがない。
なんか、答える気になれなくて要に丸投げすることにして私は要の胸に顔をうずめた。



「ん?眠いか」


「ん」


「寝ていい」



「ん」



意識を飛ばすことはできない、ただ、目をつむるだけ。
要以外がいる場所で、意識を飛ばすことなんてできないから。要もそれは知ってる。



「普通じゃない」



「なにが」



「確かに、嫉妬を知らないとか、仲間を知らないとか」



「まるで、今までそんなものを教えてくれる人がいなかったよう」



「いや、あれは、世界に触れてこなかった奴の目だ」




まるで園児だ。恭生がそういった。
それは、言えてる。


「ちょっと、いや、かなり異常じゃない?」



莉音が言った。
それに、私の体が固まるのと、要が私を抱きしめる力が強くなったのが分かった。