ガラガラ
栄治さんと要と教室に入る。




「じゃ、よろしくお願いします
ノワ、行くよ」


「え!ちょっと待て待て!
ここにいろよ」


「は?」


「は?じゃねーし!紹介できねーだろ!」


「別に前にでなくても紹介できます」


「あ、それもそーか
じゃ、いいぞ」




納得した栄治さんに


バカ


ボソッと要がそんなことを言った。



「席はここ
俺は隣だから」



「うん」



そう言って要がさした席は一番後ろの端っこ。
入ってきた所から一番遠い場所だった。


やっぱり、人が多い。こんな狭い場所に、こんなにたくさん。
見られるのは慣れてるけど、ちょっとだけ要が遠いから怖い。




「要、もっと近づけない?」


「ああ、近づける」




そう言って要は机と机をくっつけた。



「ほら、近いだろ?」


「うん」



これなら大丈夫だ。