「今日、卒業した八坂海(ヤサカ ウミ)さんが合唱部に顔をだすんだって」
「やさかうみさん……? って誰?」
そうきくと、良子はニヤッと笑った。
「かぼちゃ君の目撃者」
そうニッと笑って言った良子はふふんと自慢げに笑っている。
「まあ、放課後はたっぷり時間あるんだし、合唱部にいってみたら?」
「うーん」
確かに目撃者の人の証言も噂でしか知らないし、ちょっと会ってみたいけど、いきなりきくのもなあ。
「あ、あときいた話なんだけど、八坂海さんの歌声はきいちゃだめなんだって。なんでも、きいた人は不幸になるとか」
「ええ……合唱部の人の歌でしょ? なんでそんな噂が」
「さあ? まあ、あたしも放課後つき合うし、会ってみようよ」
そう楽しそう笑う良子に私は頷き、放課後合唱部の部室に行ってみることになった。

