かぼちゃの君






「んで? 進路の悩みをもしかして、噂のかぼちゃ君に解決してもらおうとか考えてたわけ?」

「……ま、まあ」

「ふーん」

な、なにこの微妙な反応……。

「あ、あのう……」

「なに」

「天野先輩がかぼちゃ君なんじゃないかって説をきいたんですが……」

私が恐る恐るきくと、天野先輩はニッと笑った。

「なんでそう思う?」

「え、私も噂できいただけなんで……」

「ふーん……」

な、なにこの意味深な笑い。

天野先輩は悪戯っぽく笑ったまま立上がった。

「さあな、いつか教えてやる。またな、りんごちゃん」

そう言って、私の頭をポンポンと軽く撫でて図書室を出て行ってしまった。