かぼちゃの君






お昼休み、私は天野先輩にお礼を言いにいこうと、3年生の教室へと走った。

えーと、天野先輩は確か、良子情報だと、3組だっけ……。

そんなことを考えながら走っていると、階段をの方に曲がろうとしたとき、誰かとぶつかってしまった。

「いったー……」

なんか最近こんなことばっかり……。

「ったく、廊下は走っちゃいけません、だろ?」

顔をあげると、そう言って手を差し伸べてくれたのは、瓜先だった。

「あ、ありがとうございます……」


あれ……この感じ……。


「今度は走らないで、歩いていけよー」


そう言って、私の左側を通っていた。
そのとき、顔を上げると、私は思わず目を丸くした。


「うそ……」


そう小さく呟き、思わず立ち尽くす。